へなちょこフリーター日記

おもしろおかしく生きてきたいね

ビーチサンダルにはまだ早い

 

舞い上がる花びらが水泡に見えた。 

 

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ソーダ水の中で なんとか息つなぐ毎日。繰り返すメロディは 優しいほうがいいけれど、痛みをこらえる夜のことも 愛したいって思ってる。

 


僕らのもろさは、よく わかってる。

 


雑誌にはのらないタイプの体温 君は知ってた?  排水溝で赤茶けてく春に 心を留める暇もない。刹那のための小石を蹴って、ずいぶん静かな場所にでた。

 


水も季節も渦巻いて 指の隙間からこぼれてく。そんなところで、ぼくは生まれた。一閃に 置いていかれた欠片から 名前を決めた。夢うつつの祖父が語ってくれた。

 


朽ちて 溶けて かえってくるまでの間、別々の黄昏 冷えたパステルカラーとか食べて、生きること 手触りのある記憶にしてく。四隅の角に弾かれて、行間をかぶって安心して眠る。ここに家を建てようか。

 

 

箪笥のなかに 空っぽの箱はなかった。研ぎ澄ました舌の上に とびきりの後悔、目の見えるからだだから、しびれる頰をおさえて 笑うことだってできた。

 


接触拒否の街じゃ、ぜんぜんぜんぜん満ちていかない。触れたいし 舐めたいし 浸したい。自分のもんにならなきゃ いつまでたっても空白は空白のまま、空っぽの冷蔵庫は ぼくに似合いの同居人だと笑った友人と、650円のハンバーグ ファミレスの角の席に座って食べた。

 


フェスだって キスだって セックスだって、信じたいってことだった。指だって 舌だって、繋がってなくちゃあるかどうかもわかんないんだ。伸ばされる指を幻視して、秘密はひみつの香りをしてる。

 


ベランダのアイビーに小指を絡めて、指切りだって笑う。待ち合わせの時間はとっくに過ぎている。足の甲に 水滴が落ちた。ビーチサンダルにはまだ早かったか。

 

 

どうせなら僕らも、風にかさこそ鳴れるからだに生まれてみたかった。