へなちょこフリーター日記

おもしろおかしく生きてきたいね

違和感に目をあけて、わたしはわたしと生きていく

とつぜんですが、ルールには種類が存在するって知ってました?

 

道徳的ルールと心理的ルールのふたつがあるそうです。

 

この用語を『子どもはどのように善悪を理解するのか?』という本で知ったのをきっかけに、ここ最近抱えていた個人的な疑問がするするっと、あっけなくほどけた。

 

辿りついた結論は、泣き笑いがお似合いの切なさで、ははっ、とひとり笑ってみれば、よけいに鼻の奥がツンと痛い。ーーはじめから素直に泣いていればよかった。

 

あーあ、髪の毛一本で傷つける人生、わたしも送ってみたかったなあ……。

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ルールって、こんなもの

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まずはふたつのルールの違いを、さらっと解説してみるよ。

 

まず道徳的ルールとは、所属する集団や場所がちがったとしても普遍的に守られるべきとされるもの。例えば、暴力をふるってはいけない、悪口を言ってはいけない、など。

 

一方で、心理的ルールは、守られるべきかどうかが、所属する集団や場所ごとに異なる。図書館では静かにしなければならないが、ライブ会場であれば爆音での演奏が許可されている、といった風だ。

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ルール、といえば……

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わたしはどちらかといえばルールが破られることに寛容な方なんです。

 

飲食店でアルバイトをして生計を立てているのだけれど、『料理に髪の毛入っていたんだけど!』と怒るお客の気持ちには正直共感しかねる……。

 

いやね、髪の毛がごっそり束で入ってた、スポンジが丸々一個、虫がわんさか混じっているーーそこまでやられたら、わたしもさすがに『いったいどういう状況で営業してんだい!?』と不安にかられるよ? 

 

でも髪の毛一本、スポンジのカケラ、虫1匹くらいなら、『まあそゆこともあるよね』と流せてしまえるんだよねー。

 

長年飲食業界に携わっていると、自分のように異物混入を許せる感覚は少数派であると嫌でもわかってくる。

 

『皆さんも異物が入っていたら嫌ですよね?  だから気をつけて下さいね』の理屈で正社員から指導されるたび、ん?  んー??  と傾げたくなる首をまっすぐに保ち、" 普通 " な人間の皮を被るのに苦労してたりするのです。

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異物混入は、どちらのルール違反?

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ここでひとつの疑問。

 

 " 食べ物に異物を混入しない " は、道徳的ルール・心理的ルールのいったいどちらなのか?

 

飲食店のみならず、テイクアウト商品や家庭料理、はたまた海外であったとしても、『異物が入っていてもOK』にはならないと思うんですよね。

 

許容の程度に差はあれど、少なくとも入っていて嬉しいものじゃあない。物によっては、命の危機に関わりかねないわけで。

 

日本という安全な環境に身を置いてると忘れがちだけれど、食って生命維持装置なんだよなあ。大げさに言えば、異物混入って、生命を脅かしかねない問題で、だから不快になるし、怒りを露わにする人もいる。

 

『なんで髪の毛入ってるの!?』とはつまり、『わたしの尊厳を傷つけるつもり!?』ってことなんですよね、きっと。

 

……え、じゃあ、髪の毛入ってようが、虫が入ってようが、オールオッケー!  なわたしの尊厳、一体どうなってんの……。

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ルールは守られる? は?

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ルールって『破られるもの』だし、大切なものはいつも『守らせてもらえない』じゃあないですか? 

 

え? ちがうの?

 

考えるまでもなく生まれた時から当たり前に搭載されている、生きたい、という感覚に突き動かされて、ひとは食べたり笑ったりしてる。

 

生きる、にも色々あるけれど、どうせなら安心安全に生きたいし、心も体も傷つけられたくない。もし万が一傷ついたときは、早急に手厚く手当をしてやりたい。

 

『自分は守られるべきである』ーー素朴で単純な、生きていく上で絶対不可欠なルール。

 

その、生きていくうえでの最優先ルールを、周囲の人間に踏みにじられて、踏みにじらて、踏み抜かれると、わたしみたいなルール不信症が出来上がるわけなんだな。ちゃんちゃん。

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人間って、ひどい生き物じゃね?

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そこそこかわいそうな人間関係に身を置かざるを得なかった結果、わたしは人間を『ルールを守れない生き物』だと考えるようになった ( その人間の中には、もちろん自分も含まれている ) 。

 

盲目的で、凶暴で凶悪で醜悪な生き物に、ルールの遵守を期待できる感覚が、わたしにはよくわからない。

 

髪の毛が一本、料理の上に横たわっているくらいで死ぬ魂なら、わたしはとっくにこの世を去っている。もっとひどい死の匂いを嗅ぎとって初めて、わたしの喉は悲鳴を絞りだすのかなあ。

 

悟ってるね、なんて人から言われて、得意げになったこともあったけれど、こんなの、凄くもなんともない。

 

傷つけられることに、慣れすぎたーーただそれだけだ。物理法則しか信じられないなんて、悲しすぎない?

 

……せっかく人間に生まれたっていうのに。

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ルール不信症とシゾイドスキゾイドの関係

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わたしはおそらく、シゾイドスキゾイドパーソナリティ障害なのだけれど、このパーソナリティの特徴のひとつである『対人接触の忌避』は、ルールという概念への不信感に端を発してるんじゃあないかと勝手に思っている。

 

人と人が交われば、相談の如何に関わらず、ルール・約束事というものが自然に取り決められていく。そのこと自体は避けようがないので別にどうこう思わないが、問題なのは『ルールが守られる』と信じられないことにある。

 

普通、人間関係を構築するとなれば、『ルールが守られること』を前提に話が進んでいくものだと思うんだけど、シゾイドスキゾイドはそこんとこを理解できないんじゃないか、という気がする。

 

なんというか、人間を理性的な生き物としてみなすか、盲目的な生き物としてみなすかによって、同じ文脈のやり取りでも、全然違う意味になると思うんですよね。

 

一般の人、健全な養育環境で育った人が、『人間は理性的で、他人の尊厳を脅かしたりしないものだ』って考える一方で、シゾイドスキゾイド ( 少なくともわたしの場合 ) は『人間は盲目的で、他人の尊厳を簡単に脅かす』という前提でコミュニケーションに挑んでいる。

 

物理法則だけでの会話、もしくはルールが反故にされる前提でなら、割合苦なくコミュニケーション取れるんじゃあないかな、って気がします。

 

そこに優しさとか気遣いとかいう、シゾイドスキゾイドにとって信頼するに足りない、意味不明な概念が挟まってくるから、理解不能・無理ー!  となる、という、理屈。たぶん。

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許せてなんてなかった

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異物混入に対して、不快に眉をひそめられるなら、あなたはちゃんと自分を大事にできてます。はなまる。

 

危険の大きさに関わらず、自分が危ない!  守らねば!  と警鐘を鳴らせる、健全な精神機構……ないんだよなー、わたしには。

 

色々と諦めて、自分に無体を働いた他人をも許し、人としての器がでかくなったか?  なんて自惚れていた。

 

『許す』の一択しかなかっただけなんだ。抗議も交渉も、誰かの手助けも逃げの一手も選択肢には含まれていなかった。習い性になるほど、諦めて諦めて諦めて諦めた。

 

ーー何を、って……自分を。

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これでもさ、難しい選択してるんよ?

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通りすがりの人間に生き方を乱暴に揺すぶられたとき、こぶしを開いて自分の幸福を手放すことはけっこう簡単。優しいとか言ってもらえるし、聖人みたいでかっこいいじゃんね?

 

そういう保証人付きの第一安全策を選ばない、わたしみたいな人間は、頭が悪いんだろうよ、はいはい、知ってる知ってる、よーっくご存知です。

 

ーーでもさ、人に笑われようが、お前は冷酷だと罵られようが、何がなんでも手放したりしない、万が一こぼれ落ちることがあったとしてもすぐに踵を返し抱えあげてみせる、ってえ覚悟で生きてる、わたしみたいな普通未満もいるんだよってこと、覚えておいてほしいんだな。ちょっとだけ、ワンルーム分だけの居場所を許してくれればいいからさー。

 

だから、痛みをないことになんてさせないでくれ。

 

普通にはなりたいけど、やっぱさ、わたしにはさ、むり、なのだよなー。だからさ、わたしはわたしのルールを肉に刻んで、しぶとくずぶとく二酸化炭素とか白く空に吐いてってやるんだー。