へなちょこフリーター日記

”楽に・楽しく” 生きるを提案するブログ。

昼も夜もひびきわたっていた

どぼんととびこんだ先に、うろこのない魚がいた。

 

小指くらいの大きさで、水に濡れた石の色をしている。手を伸ばしたらつかまえられるだろうか。そうおもっただけ、だのに、くっ!と力をこめて魚の尾ははね、みどりの淵へまぎれて、消えた。

 

泳ぐ、水中を進む、ということよりも、川そのものに溶けてしまえる彼らの色や小ささに憧れていた気がする。

 

深くに潜っても、視界を横切るわたしの手は、淵の暗さに比べれば白と言ってもいいくらいで、腐らなければここへ還ることはできないのだなあ。

 

放水サイレンの鳴らない土地に暮らす。そんな未来、おもってもなかった。

 

雨が降ると、昼も夜も谷中にひびきわたっていた。

 

あまりに記憶とむすびついているから、こちらに越してきてから、雨は一度も降ってないんじゃないか。そんな気さえする。