へなちょこフリーター日記

”楽に・楽しく” 生きるを提案するブログ。

見ました!『PATERSON』

伏見ミリオン座で映画を見てきた。 

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ニュージャージー州のパターソンに住むバス運転手・パターソンの1週間。

 

じわじわ心を掴まれて、終盤のシーンで「ものを作ること」を肯定された気がした。

 

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詩ってなんだっけ?

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仕事の合間、秘密のノートに詩を書き溜めるパターソン。

 

同じフレーズが文字と音で繰り返されるうち、感覚がぐにゃりとゆがみ、パターソンと彼女であるラーラの会話が、バス乗客の雑談が詩みたいに聞こえてきた。

 

途中で出会う女の子の詩がとてもいい。

 

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ニュージャージー州パターソン

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街並みは明らかに外国なのだけれど、秋の陽の色が見慣れた黄金で、「素敵ですね」と見知った場所に丁寧にカメラを回されているような不思議な嬉しさが湧いてくる。

 

バスのガラス窓に反射する風景や、滝壺の水しぶき、乾いた空、気の抜けたビールの泡。目の使い方が私に似てる気がした。

 

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パターソンの彼女・ローラ

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パターソンが働いてる昼間、ずっと部屋の装飾をしている。

 

空白恐怖症か?と思うくらい、カーテン、壁紙、カップケーキ、パターソンの弁当のミカン、服に至るまで〇を基本にしたパターンで埋め尽くしていく。

 

彼女の美しさと相まってオシャレと言えなくもないが、自宅が毎日改変されていく、〇が増殖していくというのはどんな感じがするんだろ?

 

一種のホラーだと思うのだが……。

 

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秘密のノート

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うっかりソファに置いたままにしたノートを飼い犬のマーヴィンに修復不可能なまでにズタボロにされてしまったパターソン。

 

喪失感を拭えないまま散歩に出た先で出会った日本人と詩の話題で盛り上がり、去り際に真っさらなノートを貰いうけ、彼はその場ですぐさま詩を書き綴る。

 

誰に見せるでもない詩でも、なくなったら悲しい。

 

白紙のページには言葉を残さずにいられない。

 

それだけのことに、なんとも現しがたい妙な気持ちが湧いてきて胸が柔らかくて苦しい。

 

毎日の同じ場所で起こる別のことごとを餌に書こう残そうってやってるんじゃないけれど、なぜだかどうしても湧いてくる、意味ないとわかりつつ拭えない" あの感覚 "を視覚化され、無理なく納得させられてしまった。

 

誰に評価されずとも、うまく言語化できずとも、言葉を紡いでいいのだ。

 

映画のあとは頭に浮かぶ言葉をつらつら口ずさみながら帰った。青い街灯の火がきれいだった。

 

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そのほかあれこれ

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出没する双子たちと風変わりな彼女によって創作物と現実の境目のバランスが絶妙に保たれてる。

 

嬉しいとか悲しいとかそれぞれのシーンに判断を挟まないでいられる作りが私には心地よかった。

 

パターソン役のアダム・ドライバーの表情の移り変わりの何気なさが癖になりました。何気なさすぎて劇的なんですよ。

 

繰り返しは詩の技法のひとつでもある。


7日間同じリズムを繰り返し、酒場のビールで韻を踏み、女神は〇に取り憑かれ、そこかしこで囁かれる「パターソン」とは街のことか己のことか。

 

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おわりに

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衝動的に見に行きたさに駆られる映画は良作である場合が多いな。

 

明日もがんばらぬ〜